第 五 人格 陰 キャ 組 と は。 #1 陰キャ組がごはんを食べる話

#1 陰キャ組がごはんを食べる話

第 五 人格 陰 キャ 組 と は

あまりの寒さに凍えて帰ってきたイライを出迎えたのは、温まった部屋の空気と、空腹のお腹にトドメを刺すようないい匂いだった。 「ただいま。 あ~・・・、暖かいぃ・・・!」 玄関からリビングへ繋がるドアを開けてすぐ、冬の間は出しっぱなしにしてある炬燵へとイライは潜り込む。 炬燵は丁度いい温度で温まっており、凍えたイライの体をじんわりと溶かしていく。 普段だと自室へ戻り、前世からお世話になってる梟であるぽっぽちゃんを構いに行くのだが、今日は炬燵から出られないようだ。 「おうお帰り。 外寒かったろ?」 「寒いどころじゃすまないよ・・・。 しばらくは寒いって言ってるし、もしかしたら私、凍死してしまうかもしれない・・・。 」 「ほい、ココア。 」キッチンで夕飯の準備をしていたナワーブがマグカップを持って来てくれる。 ナワーブが淹れてくれるココアは少量のブランデーが入っている。 ココアにブランデーを入れるのは前世からのナワーブの癖で、ココアの甘さとブランデーのアルコールが体の芯から温めていく。 荘園に居た頃も人気のメニューで、特にモウロは初めてココアを飲んだ時はあまりの美味しさに目を輝かせながらその場でくるくる回っていたのはいい思い出だ。 ナワーブも自分の分のココアを持ってきていたため、きっと夕飯はあらかた完成しているのだろう。 そのままテレビをつけながら何気ない話をしていると、階段を下りてくる足音が二つ聞こえてきた。 「あ、イライさんおかえりなさい。 ちらっと聞こえたんですけども、もしイライさんが凍死してしまっても僕が納棺するので安心してくださいね。 」 「イソップが納棺してくれるなら安心だね。 ぽっぽちゃんの世話は僕に任せて。 」 「君たち酷すぎないかい! ?私が凍死したらイソップ君はきっと泣くし、ぽっぽちゃんはしばらくご飯食べてくれないと思うからね!?」 「大丈夫です。 ぽっぽちゃんならきっと、僕の手からご飯食べてくれるはずです。 」 「そんなこと無いし!・・・きっと無いし!!!」 二階から下りてきたイソップとノートンと言い合いをしていると、ナワーブが空になったマグカップを片手に立ち上がる。 夕飯の火の具合を見てくるようだ。 ついでにと、イライの空になったマグカップも預けておく。 「あ、そうだ。 机の上綺麗にしといてくれ。 もうすぐできるから。 」 「任せてナワーブ。 今日の晩御飯は何だい?」 「見てからのお楽しみ。 お前らおとなしく待ってろよ。 特にイソップ。 」 「何で僕だけ名指しなんですか酷くないですか?」 「イソップ君が一番食い意地張ってるからだと思うよ。 」 「そんな・・・!ノートンさんまでそんなこと言うんですか・・・! ?」 「あはは。 」 イソップがよく食べるのは、かつて荘園にいたメンバーでは共通の認識である。 元々よく食べるほうだったが、現代に生を得てからは以前よりもよく食べるようになった。 本人曰く「料理が前よりも美味しいのが悪いんですよ」とのことらしい。 「ちょっと二人とも、机の上片付けてよ。 私しか片付けて・・・、これは二人とも働いてないから、私だけご飯もらえる感じでは?」 いいよね、ナワーブ?一人で炬燵の上を片付けていたイライが不穏なことを言い始める。 机の上は4人分のレポート資料や私物が散らばっており、確かにこれを一人でやったとするなら優遇されてもいいだろう。 という量だ。 慌ててイソップもノートンも慌てて片付け始め、炬燵の上で無数の腕があちらこちらの飛び交う。 冬の間は皆、自室よりもリビングに集まってくる。 必然的に炬燵で勉強をすることが多くなるので、あっという間に物が散らかってしまう。 「イソップ君、これ部屋にもってって。 僕はここの図鑑片付けるから。 」 「了解ですノートンさん。 ついでに机拭いときますね。 」 「そういう所だよ、二人とも・・・。 」 一人でやっても終わらなかった量が一気に減っていくのを横目で見ながら、ナワーブは冷蔵庫の中から味噌を取り出す。 味噌を入れるとコクが出て美味しいと聞いたのだ。 ふと冷蔵庫の隅、ぽっぽちゃんの餌が入っている場所を見てみると、中身が減っている袋がある。 ぽっぽちゃんに関してはイライに任せっきりなので報告しなければ。 「そんな凹んでるイライ君にお知らせです。 ぽっぽちゃんのおやつがもうすぐ無くなりそう。 」 「あれ?もうそんなに減ってた?」 「減ってる。 こないだトレイシーが来たとき、ヘレナと二人してあげてた。 」 「成程。 丁度明日は特売日だし、食材買うついでにまとめて買ってくるよ。 」 イライと話をしながら味噌を溶かす。 味噌が溶け、チーズを乗せたら今日の夕飯は完成だ。 「よっし、できたぞ。 今日の飯は鍋~。 」 「待ってました!」 「イライさん、そこにある取り皿取ってもらってもいいですか?」 「これ?って今日のお鍋、2つもあるんだね。 味が違うのかい?」 「そう。 こないだウィラが教えてくれたミルフィーユ鍋とトマト鍋にしてみた。 」 「それ絶対美味しいやつ。 」 鍋の蓋を開けると、美しく層になっている白菜と豚肉が並んでいるミルフィーユ鍋と真っ赤なスープの合間にチーズが溶けているトマト鍋のいい匂いが漂ってくる。 ミルフィーユ鍋にはにんにくが散らされており、食欲を誘う匂いがたまらない。 トマト鍋はドロっとしたスープとチーズがいい具合に具材に絡まっているだろう。 「何言ってるんですかイライさん。 ナワーブさんのご飯はいつも美味しいに決まってるでしょう。 」 「違いない。 」 「褒めても〆のリゾットに卵が追加されてオムライスになるくらいしかないぞ。 」 「「「それで十分。 」」」 「「「「いただきまーす!」」」」 結局、〆にオムライスとミルフィーユ鍋の出汁でうどんを作り、4人のお腹に収まったことは言うまでもない。 本日のメニュー:あったかミルフィーユ鍋とトマト鍋.

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第五人格 占い師(預言者)の素顔がリークされる!イケメンではなく陰キャかwww

第 五 人格 陰 キャ 組 と は

金曜日。 全休の日。 そしてバイトの日でもあるが、夕方からサークルがあるので昼シフトだ。 店を出て大学へと向かっていく。 手には作るのに失敗したドーナツたち。 これを持っていくと先輩方がとても喜んでくれるので恒例みたいになっている。 特にナワーブ先輩は子供みたいに喜ぶ。 大学にも慣れてきた6月。 段々曇り空が多くなってきて、梅雨の空気感が出てきた頃。 そろそろテストも視野に入れなければならない。 まぁ一ヶ月前から始めればなんとかなるだろう。 テスト勉強も部室でやろうかな。 そういえばイライさんは第二外国語は俺と同じドイツ語をとったと言っていた気がするので教えてもらおう。 そんなことを考えながら、ノートン・キャンベルは部室棟に着いた。 サークルの部室は4階。 軽い足取りで階段を昇ってゆき、部室近くまで行くと、話し声が聞こえてきた。 どうやら先輩方はみんな先に来ているらしい。 サークルに入ったばかりの時は入るのに狼狽えていたが、もう遠慮はなくなってきた。 「こんにちはー」 「ノートン!!ドーナツ!!」 「第一声がそれですか。 ちゃんとありますよ」 「やったぜーさんきゅー!!」 入るなりナワーブ先輩がキラキラした目でどーなつをたかってきた。 もはやいつものことだ。 最近のお気に入りらしいチョコリングを手際よく紙ナプキンに包んで頬張る。 素手で取らないあたりになんとなく親の教育の良さがみえる。 「ナワーブくん、後輩にたかるの少しは遠慮したらどうですか…ノートンくん、こんにちは」 「バイトお疲れ様、ノートン。 まぁ、食べ物のことになったらナワーブは周り見えてないからな」 「イソップさん、イライさんも、こんにちは。 俺はもう慣れたことなので、大丈夫ですよ。 ナワーブ先輩、独り占めしないで先輩方にも分けてくださいね」 「わかってるよー」 毎回イソップさんはナワーブ先輩を窘めるが、ナワーブ先輩は右から左へと聞き流している。 というか、聞こえてないだろう。 チョコリングを咥えたまま、ポンデリングをイソップさんに、フレンチクルーラーをイライさんに渡し、俺にはオールドファッションを渡してくれた。 俺が想定した通りに渡すのでもうみんなの好みは把握済みらしい。 「俺次はエンゼルクリームがいいなー」 「残ってたらね」 毎回すごく美味しそうに食べてくれるから、どうしても甘やかしてしまう。 イソップさんはやれやれ、という顔 マスクでほとんど見えないがなんとなくそんな目をしている をしつつみんなにお茶を出してくれる。 部室というかほぼ家なのはもう気にしていられない。 とりあえず落ち着いてきたので、本題に入ることにする。 「日曜日は、夢の国に行くんですよね」 「ああ、なぜか親戚からチケットが手に入ったからね。 なにか用事でもできたか?」 月に2回ほど色んな場所で鬼ごっこをするのがこのサークルの活動なのだが、今回は夢の国へ行くらしい。 あれこれみんなで場所を出し合ったが、深夜に唐突にイライさんが「チケット貰えた。 夢の国行こう」とメッセージを送り、ナワーブ先輩が「いいな!!」と押しに押しまくって夢の国に行くことになったのだ。 俺とイソップさんはそのやりとりを今日の朝に気づいた。 「いえ、俺、初めて行くんで」 「え、そうなの!?」 「僕もです…」 「イソップは人混み苦手だものな」 苦手なことを知りつつも提案して採用したイライさんはきっとめちゃくちゃ行きたいんだろうな。 たぶん、イソップさんと。 直接聞いてはいないが、なんとなくこの二人の雰囲気には甘さがある。 温泉街とかをぶらぶら歩くのが似合うような気もするが、大学生だものな。 「じゃあさ、半数行ったことないなら、みんなバラバラで鬼ごっこするんじゃなくて、ペアでやってもいいんじゃね」 きちんとゴミをまとめていたナワーブ先輩が提案する。 たしかに、1人でどこかわからず動くよりはいいかもしれない。 「僕は、そっちの方がいいです」 「イソップを1人にするのも不安だな。 ノートンはどうだ?」 「俺も、マップの把握に時間かかると思うんで、ペアの方がいいです」 「じゃあ決まりだな!俺とノートンで逃げる方やりたい!」 笑顔で立候補するナワーブ先輩。 なんか今日は甘えたレベルが高い気がする。 悪くは無い。 イライさんもイソップさんも反対はないらしく、2人が鬼役になることになった。 なんかイライさんが「最近相手の行動を読んでじわじわ追い詰めるのが楽しくなってきたんだ」とか言ってたけど聞かなかったことにしよう。 こうしていろいろと話し合いは進み、朝一で夢の国集合ということになった。 そしてみんなで晩御飯を食べるまでがテンプレである。

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陰キャ組反応日記【第五人格】

第 五 人格 陰 キャ 組 と は

注意事項 前回のはぐれる話の続きです。 読んでからの方が分かりやすいです。 ただのネタなのでなんでもいい人向け 陰キャ組は私の中では占い師と傭兵と納棺師の3人です。 割りと仲が良いという設定。 でも炭鉱者増えそう 誹謗中傷お断り 唐突に始まり、唐突に終わります。 多分N番煎じネタ 会話文増し増し キャラの捏造ありありです。 なんやかんや転生してて荘園の記憶保持。 基本イライ視点。 イライ天眼あるので未来みえる設定。 それでも良い方のみゆっくりしていってください [newpage] 「取り敢えず君はその格好をどうにかした方が良いんじゃないか?」 茶屋に入り、席に座った後開口一番にルキノにそう言われた。 イライはそれもそうかと頷きナワーブ達を見た。 するとイソップ達は顔を見合わせたかと思うと、声をあげる、 「「…あ"っ…」」 「え、何その声。 なんでやっちゃったーみたいな顔してるんだい?」 「わりぃイライ」 「…着替え持ってくるの忘れました…」 「え?嘘でしょ待って、僕ずっとこの格好?」 「うげぇ…知り合いの男の女装がこの後も目の前とか…」 「まぁ、その男を口説いた男は僕の隣に居るのだけれどね」 「う…五月蝿いぞホセ!」 図星と言わんばかりにホセに噛みつくカヴィンに全員は苦笑する。 女性好きであるカヴィンを騙す程の腕前を持つイソップが凄いのか、見境無く女性を愛せるカヴィンがヤバイのか。 一同は苦笑しながらもまた会話を続けていく。 「まぁ、でも僕は明日帰らないと行けないんですよね」 会話を続けていく内にイソップがそう呟く。 反応したのはノートンで、イソップに不思議そうに聞き返した。 「あれ?何か用事?」 「えぇ、仕事が急に入りまして。 本来ならまだ余裕が有ったのですが…」 「確か、今世でも納棺師を続けてるんだったね」 「はい」 「そっか。 大変だね、急に仕事が入るなんて」 「……あぁ、そうだ、イライ・クラーク。 君と連絡先交換しとこうと思っていたんだ」 ルキノが思い出したようにそう言い出し、携帯を取り出す。 イライは不思議そうに首をかしげながらルキノに顔を向けた。 「え、何故でしょう…?」 「ジョゼフから連絡が来てね。 君がイドーラから狙われていると聞いたんだ。 何かあった時に連絡をしなさい。 私も出来る限り力になろう」 「…え…?あ、ありがとう…ございます…」 真正面からそう言われ照れない筈がなかった。 直ぐ様ルキノと連絡先を交換し、また新たな連絡先が増えたことにふふふ、と小さく笑っていれば横から携帯が奪われてしまう。 「えっ?何?」 「どういうことだい?狙われている、なんて初耳だけど?」 「そうだよ、水臭いね。 …よし、登録完了。 カヴィンのもいれておくね」 「頼んだよ、ホセ。 で、どういうことだい?」 「…ぇ、っと…」 言い淀むイライにイソップとナワーブが話し出す。 イライは慌てて止めようとするが、ナワーブに腕を抑え込まれ、口をイソップに塞がれた。 むがー!と叫ぶが全てイソップが押し当ててきた布に吸われていく。 何故こういう時だけ連携が取れてるんだ…! 「コイツさ、天眼が今世でも有んだけどよー。 この前、美智子サン主催の宴会有っただろ?その時にまた目ぇつけられてよ」 「昨日、拐われましたからね、イライさん。 イドーラさんが一般の方に天眼の存在をバラしたみたいですし…」 「…ってことは、形振り構ってられないみたいだね。 イドーラさん。 何か有ったのかな?」 話し終わったからか漸く解放される。 言わなくて良いのに…と恨みがましい視線を寄越すと無視された。 「形振り構ってられない…。 あぁ、そう言われれば…そうかもしれないね。 うん、何か理由があって僕に用があるのなら、手伝うんだけれど…」 「それだからお人好しって言われるんですよ…」 つん、と顔を背けながらイソップにそう言われた。 ごめん、と口に出そうとし、イソップの方を向いた瞬間、天眼が発動した。 イソップが飛行機に乗る光景。 僕とナワーブが見送りに行き、美智子さんの家へ帰ったあと、居間で寛いでいた時にニュースが流れる。 焦ったように肩を掴んで揺さぶってきていたナワーブに目を向けようとし、ふと気付く。 ルキノさん達も僕を見ていることに。 「…おい、何が視えた」 「…へ?」 「いや、イライさん天眼使ってましたよね?顔が青ざめてますし…何を視たんですか…?」 「私は初めて間近で見たが、綺麗なものだな…」 「…あぁ、そういえば前はいつも目隠ししてたんだっけ。 確かにハンターは見たことないのかも」 「…で?イライ。 何が視えたんだい?」 「あ…えっと…」 チラリ、とイソップを見て1度深い息を吐く。 そして、僕は話し出す。 「明日は、飛行機に乗らない方が…良い…」 思わず、俯いて顔を隠してしまうが、それはイソップによって意味を無くした。 イソップに両頬を挟まれ上を向かされたからだ。 僕の視界一杯にイソップの顔が映る。 イソップは気にせず僕に話を聞き始める。 「どういうことですか?…大丈夫です、ちゃんと理由を聞きますから…そう強く手を握りしめないでください。 血が出てます」 「…ぁ…」 「…ふむ、飛行機…となれば、機械トラブルか何かかね?」 「…うーん、最近治安悪いし、ハイジャックとか有り得そうだよね」 「そうだねぇ、私は機械トラブルだと思うんだけど…」 「うん、でもね、ホセさん、ルキノさん。 最近この三人、事件に遭いまくってるみたいなんだよ。 だからハイジャックが起こりそうなんだよね…」 「おいおい、本当かい?だとすると、本当に乗らない方が良いぞ?」 「イライ、どうなんだ?」 「…えっと」 イソップに解放され、今度はちゃんと自分の意志で視る。 飛行機は…… 「…残念、どっちもみたいだ。 ハイジャックされてたんだけど、片翼が整備不良だったみたいで、墜落。 死者が、」 「…もう良いです。 無理はしないでください」 「あ…ごめ、ん…」 目元を抑えながら謝る。 …言いたくなんて無い。 生存者が0、だなんて。 口に出したくなんて無かった。 だから、イソップの言葉に、助かった、と思ってしまったのは事実だ。 「…と、なると、だ。 イソップは助かるにしても、その他の乗客を助ける方法なんて無ぇだろ…?機械トラブルなんて口出せねぇし、ハイジャックなんて俺らが乗らなきゃ……そうか、イライ!」 「ひゃい!…ぁ、な、なに…?」 ビクッ!!と肩を跳ねさせながら返事を返すと変な声が出てしまった。 恥ずかしさに顔を赤らめてしまう。 「クソ、男の癖に格好のせいで可愛いと思ってしまった僕が憎い…!」 「おやおや、考え事をしていたのかい?」 「あ、まぁ…で、ナワーブ、何かな?」 「いや、お前がハイジャックする奴等の特徴とか顔を教えてくれりゃハイジャックはどうにかなるんじゃねぇかなって」 「だが、機械トラブルはどうするんだね?」 「伝えるしか無いんだろうけど、見ても無いのに…って事務的な対応されて、取り付く島もないかもね」 「…僕は明日乗らないことにします。 仕事は…他の人達に頑張ってくれと言うしかないでしょう」 「…うん、乗らないのなら…。 でも、」 「機械トラブルの方はどうにもなりませんからね…」 「…いや、なるかもしれんが」 「「「「「え?」」」」」 全員でルキノを見る。 ルキノは苦笑しながら、居るじゃないか、と携帯の画面を見せてくる。 そこには、バルクの名前が。 「成る程ね…確かにバルクは世界的にも機械、建築関係で有名だ。 彼が言えばメンテナンスをしてくれるかもしれないね」 「だね…盲点だった。 流石だね、ルキノさん」 「いや、何。 私も聞いてしまったからね。 知っているのに放置しておくには些か心苦しい」 「じゃ、バルクに連絡頼むわ」 「受けてくれるか半々だがね。 期待はしないでくれよ」 「あ…明日、ホセとカヴィンも空港に来るのかい?」 「勿論。 乗り掛かった船だ。 …多分ノートン、ナワーブ、ルキノの無双になると思うけど…と思ったが、ついぞ口に出すことは無かった。 [newpage] 美智子さんの家に帰ってから、お土産を渡すと大変喜ばれた。 ご機嫌の美智子さんに明日は早く此処を出ますね、とイソップを見送ることを伝えると、美智子さんも見送りに来ることになってしまった。 しかし、イソップは帰らないのである。 それを言いあぐねてしまい、皆と合流したとき困惑された。 「え、美智子さんも来たのかい?」 「どうしても見送りたい、と…」 「なんじゃ、儂はどれを見ればええんじゃ」 「あ、あれです、バルクさん。 …多分、あの右翼…完璧に閉まりきってないんです」 「…フム、成る程のぅ…ちと儂は席を外すぞ」 「はい、よろしくお願いします」 「…あらあら、なんやの?お見送りの雰囲気や、なさそうやなぁ」 「…すみません、美智子さん…僕は今回帰りを見送ることにしたんです…。 言いそびれてしまってすみません…」 「そやの?ならなんで此処に来はったん?」 「今からハイジャック犯を捕らえるからだな」 「は、ハイジャック犯…!?なんでそないなことが…あ、まさかイライはん…?」 「はい、視ました。 ですので、美智子さんは僕とイソップから離れないでください」 「巻き込まれる恐れがありますし、イライさんは自衛出来ませんから。 それに、美智子さんは…女性ですし」 「あらあら…」 扇子でくすくすと顔を隠しながら、美智子はイソップの言葉に嬉しそうに笑う。 …さて、そろそろハイジャック犯が空港のロビー内に入ってくる筈だ。 出入口に目を向けると十数人の男女が入ってきた。 あぁ、あの集団だ。 思わず目を細めていると、ナワーブが僕の様子に気付いたのか、背中をバシッ、と叩いてきた。 「痛っ!」 「安心しろよ。 アイツ等の好きにはさせねーから」 「そうだよ。 僕らに任せて」 「私達が全て捕らえよう。 だから安心しなさい」 「美智子さんが来ているんだ。 格好悪い所は見せられないね」 「流石にあの人数には効かないからね。 見学してるよ」 「いや、ホセ、僕は君が肉弾戦も強いことは知ってるからな」 「…合図は任せたぜ、イライ」 「うん…」 目を1度瞑り、天眼を軽く発動させる。 ナワーブ達が襲撃を掛けるタイミングは… 「今っ!」 5人が僕の言葉と共に走り出す。 素早いナワーブが近くに居た男の鳩尾を殴り痛みで次々に気絶させ、ノートンが磁石で相手同士をくっ付けさせた瞬間にカヴィンが縄で捕らえていく。 ノートンのやり方と相性が良いらしく、予備に持ってきたらしい縄は次々と消費されていく。 ホセは催眠で話しかけては眠らせていくのに些か恐怖を覚え、イライは目を背ける。 ルキノは相手が確実に気絶するであろう場所を分かっているため、そこを的確に突いて気絶させていく。 …勿論、此処は空港内。 突然暴れ始めた5人に視線は嫌でも集まる。 しかし、暴れている5人が恐ろしすぎて誰も近付けないようで、遠巻きに見てるしかないのである。 やがて、誰かが通報したらしい。 警察が来た。 だが、その頃にはハイジャック犯達は制圧された後である。 この5人が強すぎるのか、はたまたハイジャック犯か弱かったのか。 「これは…何が有ったのかね?」 この惨状を目にした男が困惑の声を出しながら話を聞くために通報した女性に話しかけた。 「この人達が急に…」 ナワーブ達が指を指されたが、その間に警察が男達の荷物を調べていたらしい。 次々に声があがる。 「警部!この男の荷物の中に銃が…!」 「警部!此方にはショットガンが…!」 「警部!此方にはベレッタが…!」 「警部!」 当然、警察達が持っているものはハイジャックに使用する為に持参した銃関連。 目を見開いた警部と呼ばれた男は直接聞いた方が早いと思ったのか、事情を僕達に聞いてくる。 「これは…話を聞かせて頂いても?」 「勿論。 私達は話をきちんと聞いて頂けるならお話しますとも」 ルキノがニッコリと音が付きそうな程に笑いながらそう答えた。 ルキノに任せておけば大丈夫だろう。 あとは…と飛行機の方へ目を向けるとバルクが指示を出しながら整備している様子が見えた。 ホッ、と息を吐く。 これでもう、大丈夫だ。 未来も変わった。 飛行機に乗る乗客達が無事に向こうに辿り着く未来へと。 「助けれたな」 ナワーブが僕の隣にやって来て、話しかけてきた。 ナワーブの表情はハイジャック犯を制圧していた雄々しい様子とは一転、穏やかそうだ。 「うん。 ありがとう、ナワー…危ない!」 イライがお礼を言おうと改めて身体ごと向いた時、ナワーブの背中越しに懐から銃を取り出し此方に銃口を向けた女が見えた。 その表情は憎悪にまみれ、どす黒い感情が溢れ出していた。 そして、パァンッ!という乾いた音と共に、弾丸は真っ直ぐとナワーブを庇ったイライに向かっていく。 ナワーブの焦った表情にイライは珍しい、と笑みを溢しそうになった。 しかし、それは届くこと無く、イライとナワーブはその場にドサリ、と倒れ込む。 ガバリ、と勢い良く倒れ込んでいたイライはナワーブの上から退き、バサリバサリと音がする方向へ身体を起こして顔を向けた。 ぴゅーい! 「あ…あ、ぁぁぁあ…!!ぽっぽち"ゃ"ん"!!!!」 イライが手を広げると梟は器用に速度を落とし、イライの広げる手の中に収まった。 イライはぼろぼろと涙を溢し、梟を優しく抱きしめた。 ナワーブは困惑したままイライと梟の再会に目を向けていた。 「あらあら、感動の再開やねぇ」 「…あの、この女性どうしますか?僕動揺の余り、衣装が入ってる鞄投げちゃって…、気絶しちゃったんですけど…」 「女性に衣装が入ってる鞄を投げるなんて…うわ、重っ!?何が入ってるんだいこれ!?」 「何って、衣装ですが…」 「おーい、生きてるかい?…うん、息はしてるから大丈夫じゃないかな?」 「殺人未遂、銃刀法違反…」 警察は気絶しているハイジャック犯達を捕らえては次々に車の中に押し込んでいく。 周りの人達は何が起こっているのか理解出来ず、見ている事しか出来ない。 飛行機を見終わり、メンテナンスが終わったバルクがロビーに入ってきたらしい。 梟を抱き締めて涙を流すイライ、それを座り込んで見るナワーブ、倒れている男女をパトカーの中に入れていく警察、それらを遠巻きに見ている美智子達と空港内に居る人々…という惨状を見て、人知れず呟いた。 「なんじゃ、このカオスは」 バルクの言葉は誰にも届かず、風に乗って消えた。

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